魔女って何者?魔女は本当にいたの?今もいるの?魔女は本当に空を飛べるの?魔女は魔法を使えるの?
魔女にアプローチするにはいくつかの道があります。歴史的、社会的な視点で魔女とは何だったかについて考える道はとても大切です。次いで、個人的な観点から「魔女になるには」どうしたらいいか、つまり魔女修行について考える道があります。現代の魔女志向にヒントとなる道です。これらの道については『魔女の生き方』、『魔女学校の教科書』にまとめました。それでも前2著に載せなかったものもありますので、ご覧ください。
いくつかの道があります。私たちは以下のすべてについて知る必要はないと思います。
ただし、これらはすべて深いところでつながっているということだけ意識していればいいのです。いつか全部を把握できれるようになるといいですね。
最初はそれぞれ自分の関心に合わせて選んでいけばいいと思います。どれもみな魔女です。私は2から始めて、1、4の順で魔女にアプローチしています。3が最後になっていますが、それは重要度が低いということよりも、私の関心の度合いなんです。自分の一番関心の深いところを出発点にすればいいのです。
1.歴史上の魔女
古代史のなかの女神や占い師などがテーマになるでしょう。次に魔女狩り時代の魔女迫害がテーマになります。
2.昔話、伝説の魔女
ここではたとえばハルツの魔女伝説やグリム童話に出てくる魔女について検討することになるでしょう。
3.現代の童話に出てくる魔女
プロイスラ-や「魔女の宅急便」、「ハリ-・ポッタ-」の魔女はどうして(なぜということ)生まれたか、その背景にはどんな魔女の歴史があったのか。そのへんがテーマになるでしょうね。
4.現代の魔女
現代の魔女についてはいくつかパターンがあります。
その中で、最初は、実際に自分は魔女だと名乗る人々のグループの存在や活動の実態を調べることから始まります。
・ウイッカ運動
みずからイニシエーションを受けて魔女になったイギリス人男性のガードナーが提唱して世界的にひろまっています。
彼の運動については日本でもいろいろな本で紹介されています。彼や、彼の運動の歴史についての資料がどっさり展示されている魔術博物館(Witchkraft museum)がイギリスにあります。コーンウォール半島のボスカッスルというところです。私はこの5月にそこを訪れました。
・個別に魔女を目指す人たち
魔女についてずっと考えている一人の若い日本人の女性を紹介します。「まじょこさん」です。
私は彼女のことは実際にはなにも知りません。一回だけ私の講演を聞きに来てくれたときにお会いしただけです。その後は、ここのホームページでお話するだけです。
彼女からはたくさんのコメントをいただきました。それらは公開はせず大切に保管してあります。その中で、彼女の最近のコメントを2つ載せることにしました。どこかの魔女グループに入ることなく、一人で真剣に魔女と向き合う彼女の言葉を、そのままの文章で紹介します。もちろん彼女から承諾はいただいています。
[3月29日(2004)]
さてさて、最近のまじょこの近況なんですけれども最近の私は物事の見方がかなり変わってきたように思います。
今までの私はプラスイメ-ジの中での「魔女」が大好きだったのですが最近の私は暗闇の中のいわゆるマイナスイメ-ジの否定的な「魔女」の存在にかなり引かれる様になりました。今の私は怖くて恐ろしい魔女の存在の方が好きなんです。つまり物事をまるっきり反対の角度から見れる事が出来る様になってきたのかなとも思います。(←ズバリ魔女の視線!!)
もし、私が幼い頃にザ-ゲ先生が出会っていた恐ろしい「魔女」の存在に出会っていたとしたならば、私はもしかしたら「魔女」に興味すら持っていなかったかもしれません。
私からしてみればプラスイメ-ジの中の魔女の方が非常に分かり易くて簡単で入りやすいんです。
でも最近の私は、そういう肯定的な「魔女」だけじゃ物足りなくなってきて、気がついたら段々と本当に恐ろしい悲惨な「魔女」の存在に凄く引かれる様になっていたんです。
例えば「白雪姫」にしてもやはり第2の主役は「魔女」ですよね。それとも「魔女」のほうが主人公なのかな?(どっちなんだろう。)「ラプンツェル」や「ヘングレ」の物語でさえ魔女がいないと本当にお話が成り立たないので グリムの「魔女」って本当に必要不可欠な存在なんですよね。つまり超重要な役割を担っていると言う事です。(ザ-ゲ先生にかなり感化されてしまいました。)
時代をさかのぼると、キリスト教がもたらした悲惨な「魔女狩り」によって大量に殺されてしまった女性達の存在を最初は怖くて知りたく無くて、恐ろしくて見るのも怖かったんですけどその存在を知れば知る程、「どうして?」という疑問が私の心の中に生まれてくる様になりました。
現代の肯定的な魔女の存在よりも無差別に殺されてしまった女性達の方が今の私の心の中での重要度がとても大きいんです。なぜ“魔女”にされてしまった女性達は殺されてしまったのか、なぜ彼女たちは悪者扱いにされてしまったのか、なぜ、今現代の“魔女”はこんなにも平和なのか。
そして「魔女」の存在って今のこの世の中に一体どんな役割を担っているのかが今の私のテ-マの様になっている気がします。
「薬草魔女」の存在意義はとてつもなく大きい事は解かるんですけれど。 (だからといって薬草魔女修行を怠っている訳では決してないです。大汗;) 村から人里離れた奥深い森の中にひっそりと生きていた女性達の存在が今私の心の中にふつふつと蘇ってきているという様な感じです。
[3月31日(2004)]
私は新生活をスタ-トさせるつもりです!
私はこの一年半ぐらいの間、以前からもずっと魔女自体はとても好きだったんですけど「自分は何をやりたいのか」を見つけられずにいていろいろアッチに行ったりコッチに行ったりしていたのですが、やはり私は「魔女修行」に本格的に励むべきだ!と心と体で実感しました。
「なぜ、魔女になりたいか」の意味は私自身は解かっているつもりなのですが、これからも「どうして、魔女になりたいか」をずっと模索していくつもりです。(魔女になりたい理由なんか私には全く無かったんです。とにかく理由も無く好きで好きでしょうが無かったもので・・。)でも幼い時からどうして、キリスト教が“魔女”の存在を作り上げて殺してしまったのかをずっと 不思議に思っていました。創作童話の魔女とは別に。
>今は薬草を扱うだけで人に幸せを与える「善き薬草魔女」みたいな雰囲気がありますが、果たしてそうなのでしょうか。<
ザ-ゲ先生の仰る通り、必ずしも「薬草魔女」の存在が人々に健康と安心を 与えるだけの存在だけではなかったハズですよね。もしかしたら、何かの理由で毒薬をも作っていた可能性ももの凄く大きいですよね。
それだけではなくて、「薬草魔女」の存在は時の権力者によって何らかの理由で末恐ろしい事も頼まれていた可能性も大きいです。
明日からまた新たに新生活スタ-ト&魔女修行頑張ります!!
(まじょこの魔女宣言でした。)
★まじょこさんの宣言をここに載せてからちょうど1年になりました。先日彼女から新しい心境を綴った書き込みをいただきました。私はとても感動しました。それで、まじょこさんの許可をいただいて、ここに再び付け加えることにしました。
ぜひお読みください。今まじょこさんはどうしているかな。もうここには現れないでしょうね。掲示板も閉じてしまいましたが、どこかでお目にかかれるかなあとか思っています。
どうも皆様御久し振りです。まじょこです。
春の気配が近ずいてきましたね。魔女の部屋の皆様は如何お過ごしでしょうか?
最近の私は「魔女」のことを語ることすらためらうようになりました。むやみやたらに「魔女」なんて口にしていいものかと日々苦悶しております。
自らの名前を可愛らしく“まじょこ”なんて名付けしておりますが、それはとんでもなくおこがましいことではないかな、なんて思ったりしております。
幸い、日本の場合は(戦争で原爆を落とされた国ではありますが)宗教戦争も無く、宗教心もあまり無い国なので、「魔女」なんて言われても、あまりピンとくる国ではないので本当に良かったのではないかと(平和ボケしていて)思っています。
最近の私は心の中で「魔女」のことを思ったり、考えたりする様になり、決して人前では言わないようになりました。私は「魔女になりたい」だなんて決して思ったりしなくなりました。最近の私はどちらかというと“魔女”という存在を客観視し、じっと見つめていきたい様に思います。
私もやはり成長してきたかな~なんて勝手に思ったりしています。やはり、もし私が今の肯定的な「魔女」のままで生きていたらどんな事になったものだろうかと冷や汗;ものです。
現代の魔女は「魔女」ではなくて、勝手にひとり立ちして何か違う別の存在になって、一体どこまで変身を遂げていくのか見ていきたいものですよ、本当に。
もし、私がこのHPを知らなくて、そのまま通り過ぎていたらきっと今でも「魔女、魔女、魔女!!」だなんて騒いでいたのかもしれません。そう思うと心底ゾッとしてしまいます。
それでもまだまだ私は勉強し続けます。本当にその実態を知りたいと思えば私なんてまだまだですね。ふはぁーっ。
(3.28.2005)
魔法も魔術も呪術も呪いも英語ではWitchkraftあるいはMagicですね。
私は英語について話すほどの知識はないので、ドイツ語の世界で説明します。
ドイツ語では Zauberei(ツァオベライ)あるいは Magie(マギーこれは外来語になります)はすべて魔法、魔術、呪術、呪いと訳します。
それを行う人はZauberer(ツァオベラー男の魔法使い) Zauberin(ツェアオベリン女の魔法使い)です。
これらの基本にあるZauber(ツアオバー)という言葉の語源は語源事典によると、古代ゲルマンの時代に呪文を書くとき(たとえばルーン文字など)に用いられた赤いチョークのような石だそうです。
つまり魔法というのは呪文を唱えることからはじまり、その効果があるかどうかを問われたのだと思います。
それがうまく出来た人が優秀な魔術師(魔法使い)になっていったのでしょう。そのためには魔術の修行が必要でした。
しかし、修行すれば誰もがなれるかというと、そう簡単ではなかったでしょう。魔術を行う人の資質が問題になりますね。どんな資質の持ち主が魔法をうまく使えるようになるのでしょうか。